POV-Rayで作るアノマロカリス

アニメーションの作成には、フリーウェアPOV-Rayだけを使います。POV-RayはCUIのシンプルなソフトですから、作業はすべて記述言語を打ち込むことで行われます。POV-Rayに収録された立体(プリミティブ)のうち、最も単純な球と円錐だけをいくつも組み合わせて、アノマロカリスが左右のひれを波状に動かすアニメーションにします。

作成の概要

左の画像は、POV-Rayで作成した単純なアニメーションの1コマです。三角関数とパラメーターを組み合わせ、並んだ円柱が波状の動きをするようになっています。このアニメーションのシーンファイルでは、赤い部分を以下のように記述しています。
POVユーザー以外にはわかりづらいですが、ここは参考程度にご覧ください。sinやpi(パイ)、clock(変数)の文字が見えると思います。sinの値が−1から1を往復するのを利用して、ひれの旋回角を変化させています。
#include "colors.inc"
#include "shapes.inc"
camera {省略}
light_source {省略}
#declare COUNTS = 0;
#while( COUNTS <= 10 )
    #declare X = 0.3 * COUNTS
    cylinder { 
           <X, 0, 0>, <X, 0, -1>, 0.1
           texture { pigment {color Red}}
           rotate x * 20 * sin (0.2 * pi* COUNTS + 2 * pi * clock) }
    #declare COUNTS = COUNTS + 1;
#end
これは非常に単純化した一例で、小難しいことはあまり考慮していませんが、しっかり波状運動してくれます。アノマロカリスのアニメーションもこの基本パターンを修飾することで作ることができます。
これは本書第3章に掲載されたシーンファイルをそのままエディタで打ちこみ、POV-Rayでレンダリングしたものです。編集上の都合でシーンファイルの中の似たような箇所が一部省略されていますので、このようになります。
(注意)うまくいかないケースの大半は { やスペースの入力ミスと、スペースの字化けと思われます。エラー時に表示される内容をよく確認してみてください。
これはひれの配置を示した図です。左右に13枚のひれをこのような寸法と配列で並べます。あくまでも単純化したモデルなので、実際のアノマロカリスに比べると、寸法や最大のひれの位置などが微妙に違います
配置の規則性をもとに省略部分を補うとこのようになります。この状態でも波打つアニメーションが作れますが、少しさびしいかもしれません。
例えば、このような胴体を付けるとします。胴部の記述は
cone { <3.5,0,0>, 0.25, <-4,0,0>, 0.5 texture {省略}}
sphere { <3.5,0,0> 0.25 texture {省略}}
sphere { <-4,0,0> 0.5 texture {省略}}

となります。頭部の触手もconeですが、こちらは適当に置けばいいでしょう。
これは、本文に掲載されたバージョンです。胴と触手と口は、ループという方法を使って球を何個も連続的に作り出して並べたものです。何個も並んだ球の一個一個の大きさを関数によってゆるやかに変化させると、このようなボーリングのピンのような形になります。
こちらはさらに修飾を加えたものです。左右のひれや尾は球のループを使って実際のアノマロカリスに近い形状にし、触手も円錐で作り直しています。個々のひれは単なるrotationの往復だけでなく、微妙にしなる(反る)ように変更しました。複雑になりましたが、動きの基本設定とプリミティブだけを使用している点は前述のままです。こちらは動画サンプル(QuickTime 360kbmpg 230kb)があります。動画再生ソフトの設定を繰り返し(loop)にしてご覧ください。


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